ピクニック

いつかピクニックに行きたいね
またあの子が病院に入ってそして今度は苦しんで死ぬような事があったら
そのときは
泣きながらピコのティーシャツを着て
頭にバンダナで腕にはでっかいアニメのポスターを持って
それから温かいコーヒーをポットに入れて、

僕は君のことが好きだから
君の隣の家に住んでいる人の描いた絵はぜんぶみるよ
君の隣の家に住んでいる人のうたう歌はぜんぶ僕が聞く
君の隣の家に住んでいる人の聞きたい言葉はぜんぶ僕がいってやる
だから

悲しいことも嬉しいことも
あんなことも
こんなことも
これっくらいのお弁当箱

だって、この長い余剰
70歳まで生きるとして
あと52年 52わる3で
僕はまだ17回高校にいける
詩を書いた紙をくしゃくしゃにまるめ

ゆるぎない幸せを手に入れた人の隣の家に住んで
ずっと 泣いていたいんです
このお弁当を食べ終わったら
きっと下校途中の小学生のランドセルが見えてくる
そうすればもう明日
僕はその足で 交番まで行って
僕の詩を さも道端で拾ったかのように届ける

「意味を1割、
 わたしてください」

lilililill

あの子が夜中に僕と服を着たままベッドで抱き合っている時
「あたしは汚れてる…」って呟いたから、僕は強い調子で
「そんなこと言ったら、みんな汚れてる!この街も空も外を歩いてるやつらだって!僕はその中で君が一番キレイに見える!」
って、叫んだ
君は夜中に僕と服を着たままベッドで抱き合っている時
「いつかこの想いも冷めるじゃない…」って呟いたから、僕は強い調子で
「そうかもしれない、いつかこの想いも冷めるかもね、でも俺は、だからこそ君のことを死ぬまで愛し続けるって言うよ!これから起こる事を 今の僕たちが考えるのは、それがなんであっても怖いものだよ、そういうことについて今の僕たち二人が立ち向かっていく事が、愛っていうんじゃな いのかい?」って叫んだら、あの子は僕の胸の中で静かに泣いた

君に見せられる詩といったら

君に僕の将来の夢をきかれて
僕は「わかんない」ってこたえて
そのあと君は自分の将来の夢について
真剣な顔で僕におしえてくれて
それはすごく素敵で、そして君は本当に素敵だった

僕はなんだかよくわからなくなって
よくわからないすごく強い気持ちを感じて
最後に「あのさ、詩を書きたいんだ」って答えたんだけれど
君の顔を見ずに、まるで嘘をついてるみたいな表情をして
でも、今でも僕はその時
本当の気持ちでそんなこと言ったのかわからないんだ
こういうことって友達にだって恥ずかしくて言ってなかった

僕は詩を書くとき
いつでも読む人をどうしようもなく不快な気持ちにさせてやろうと思って
そう思って書いているから
こうやって2人で将来の夢について話す、みたいな場面を
ちょっと馬鹿みたい、と思ってる自分がいたりして
僕はなんだか涙が出そうだ

そうなんだ、僕はちょっとしたことでさみしくなる
ような そんなクズみたいな奴になってしまいそうだ
だって君みたいな女の子ほかに知らない
君にくらべたら
君のいままでとこれからにくらべたら
僕の書いてるものや僕自身なんて、なんだか恥ずかしくって
「詩を書くこと」よりも君は確実にかわいくって
僕は気持ちの悪い顔のブサイクで
でもだからこそ僕も詩が好きで、いままでずっと
詩を書いたりしてきていて

どうすればいいのかわからないから
ひとつだけ、なんだけど
それだけでいいんだけど
ひとつだけ、君に見せられるような詩が書きたいよ
どうすればいいのかわからないから
本当のことをいちどだけ、なにもかも話してしまいたいよ
本当のことをいうのはすごく馬鹿みたい、と思ってる自分がいたりして
その詩が、僕が今まで書いていたものよりも
自分で好きになれるかわからないけれど
僕の将来の夢のこと、恥ずかしがらずに
しょうじきに君に伝える方法を、ポエムに書いてわたすよ
僕の詩で、君にみせられるのは それくらい

ハッピーストーキング・パワーダイアリー

この日記は本当にあの子をストーキングして、それを克明に記録しようと思ってまた始めた日記なんだけどやっぱりそんなことは普通にできないな、なんでだろう、さよならの事を思い出せば、相変わらずどん底までへこむけど、最近それを思い出す事が少なくなってきてる、これは悲しい事なのか

ハジメくんへ

長い間一緒にいたから、僕たちは黙っていると本当のことがわかってしまうからいろんなことを話した
ジミヘンが好きだ、とさえいえば未成年にも酒を飲ましてくれるバーで40度のカクテルを僕と君とマスターとで飲みあいっこした、いろんなことを思い出したけど、それは僕だけが思い出したのか、きっと僕たち2人で思い出したのか、それともそれはどんな場所でどんな人でも思い出すようなことだったのか、わからなくなってしまうんだ
ハジメ、君はこのあと半同棲している彼女の家に帰るのか、それとも自分の家に帰るのか、僕にわかっているのはどっちにしたって君は流しで吐くだろう、ハジメ、君は本当に近いうちその彼女と子供を作るのかなぁ?名前はなんてつけるんだろう

この歌は、いい曲かなぁ
なんど聞いてもいまだにわからないや
生まれたときからずっと聞き続けてるのにさ
この歌は、いい曲かなぁ
僕たちはいつか、真面目にそのことについて考えるんだろうか

ハジメ、僕が恋をしたら君は笑っていろいろな相談にのってくれた、その夜なぜか君の夢をみたんだ、僕は詩しかかけなくて君は昔の詩の方が好きだとかいうけど、詩はたった一人で書くものだ、だから君にはいえないような、僕がたった一人である、というようなこともすこしだけ混じってしまうのを許してほしい

この歌は、いい曲かなぁ
僕も君もこれがなんていう曲か知らないけど
なんどもくり返し聞いていて、いつも同じところで泣いて 同じところで笑ってしまう、そして最後のところでいつだって僕は君になにか打ち明ける、僕たちが掘り返したものは、簡単だ、僕たちで埋めてしまえる
この歌は、いい曲かなぁ、僕たちは大人ぶったりしてバカみたいだ、そして僕たちにこんなところで酒のませてるすべてのものだってバカみたいだ、この歌はいい曲だと信じれる根拠は充分にある、君はまだ考え込んだりする
僕だってまだ、夜中眠れずにこんな詩を書いたりする
死んだのは君のお母さんだけだ
僕たちは大人ぶったりしてバカみたいだ
だってなにより僕たちの声が聞こえる

これは下北沢で大人気だった日記です

今日はママのルージュを引いて予備校に行った

最近すごくまた自分がかわいくなってきてると感じている
ファミレスで頼むもので迷うのは、カレーライスか目玉焼きハンバーグか、だし
ファミレス程度のカレーで「このカレー辛くない?絶対辛いよな?これって辛い!」とか心の中で思いながら食べているし
しかもそれ、3分の1はこぼしてるし
気付いたら辞書で「ユートピア」という単語ばかりひいているし
最近すごくまた自動ドアとかに挟まるようになった

聞こえる幻聴も「宗教団体に入れ、宗教団体に入れ」とかそういうのじゃなくて、
かわいらしいキャラクターの声で
「赤信号だけど、わたっちゃいなよ!向こうから走ってくるトラックが見えるけどあれは幻覚だから大丈夫だよ!」って聞こえるし
幻覚だって、わたり鳥の群の先頭を飛ぶ虚ろな目をした僕の頭部とかじゃなくて
むこうから走ってくるトラックや、いっぱいの綺麗な花(顔があって笑顔)やかわいらしいキャラクターが川の向こうで「こっちにおいでよ!君は仲間だよ!楽しいよ!」って言ってるものだし、

きのうジョナサンで店員が「最近お客さんがこないジョナ」って言ってた
その場で僕が顔を歪ませ、ブルブル震えていると、横にいたあの子が僕の手を握った
その手は
「大丈夫だよ、怖くないから、おとなしくして」
そう、言っていた

代ゼミが呼んでる

代ゼミは、東京には空が無いと言う

予備校でいわれる大人っぽいねと言うのは褒め言葉では全然無かったことに気付いた

代ゼミは僕にあの子の事を忘れろ、と言う
代ゼミが僕にこれから2度とバスケや野球をするなと言う
代ゼミが僕にあれを食べたりするのはやめろと言う
代ゼミがこれからは一緒に頑張ろうと言う
なぜならおまえはバカで不潔な負け犬だからだと言う

代ゼミが呼んでる代ゼミが呼んでる代ゼミが呼んでる代ゼミが呼んでる代ゼミが呼んでる代ゼミが呼んでる代ゼミが呼んでる代ゼミが呼んでるラジオの中から代ゼミが呼んでる代ゼミが呼んでる代ゼミが呼んでる代ゼミが呼んでる代ゼミが呼んでる代ゼミが呼んでる代ゼミが呼んでる代ゼミが呼んでる代ゼミが呼んでる代ゼミが呼んでる代ゼミが呼んでる代ゼミが呼んでる代ゼミが呼んでるテレビの中から代ゼミが呼んでる代ゼミが呼んでる代ゼミが呼んでる代ゼミが呼んでる代ゼミが呼んでる代ゼミが呼んでる代ゼミが呼んでる

僕がかよっているのは河合塾だった