ピクニック

いつかピクニックに行きたいね
またあの子が病院に入ってそして今度は苦しんで死ぬような事があったら
そのときは
泣きながらピコのティーシャツを着て
頭にバンダナで腕にはでっかいアニメのポスターを持って
それから温かいコーヒーをポットに入れて、

僕は君のことが好きだから
君の隣の家に住んでいる人の描いた絵はぜんぶみるよ
君の隣の家に住んでいる人のうたう歌はぜんぶ僕が聞く
君の隣の家に住んでいる人の聞きたい言葉はぜんぶ僕がいってやる
だから

悲しいことも嬉しいことも
あんなことも
こんなことも
これっくらいのお弁当箱

だって、この長い余剰
70歳まで生きるとして
あと52年 52わる3で
僕はまだ17回高校にいける
詩を書いた紙をくしゃくしゃにまるめ

ゆるぎない幸せを手に入れた人の隣の家に住んで
ずっと 泣いていたいんです
このお弁当を食べ終わったら
きっと下校途中の小学生のランドセルが見えてくる
そうすればもう明日
僕はその足で 交番まで行って
僕の詩を さも道端で拾ったかのように届ける

「意味を1割、
 わたしてください」