ハジメくんへ

長い間一緒にいたから、僕たちは黙っていると本当のことがわかってしまうからいろんなことを話した
ジミヘンが好きだ、とさえいえば未成年にも酒を飲ましてくれるバーで40度のカクテルを僕と君とマスターとで飲みあいっこした、いろんなことを思い出したけど、それは僕だけが思い出したのか、きっと僕たち2人で思い出したのか、それともそれはどんな場所でどんな人でも思い出すようなことだったのか、わからなくなってしまうんだ
ハジメ、君はこのあと半同棲している彼女の家に帰るのか、それとも自分の家に帰るのか、僕にわかっているのはどっちにしたって君は流しで吐くだろう、ハジメ、君は本当に近いうちその彼女と子供を作るのかなぁ?名前はなんてつけるんだろう

この歌は、いい曲かなぁ
なんど聞いてもいまだにわからないや
生まれたときからずっと聞き続けてるのにさ
この歌は、いい曲かなぁ
僕たちはいつか、真面目にそのことについて考えるんだろうか

ハジメ、僕が恋をしたら君は笑っていろいろな相談にのってくれた、その夜なぜか君の夢をみたんだ、僕は詩しかかけなくて君は昔の詩の方が好きだとかいうけど、詩はたった一人で書くものだ、だから君にはいえないような、僕がたった一人である、というようなこともすこしだけ混じってしまうのを許してほしい

この歌は、いい曲かなぁ
僕も君もこれがなんていう曲か知らないけど
なんどもくり返し聞いていて、いつも同じところで泣いて 同じところで笑ってしまう、そして最後のところでいつだって僕は君になにか打ち明ける、僕たちが掘り返したものは、簡単だ、僕たちで埋めてしまえる
この歌は、いい曲かなぁ、僕たちは大人ぶったりしてバカみたいだ、そして僕たちにこんなところで酒のませてるすべてのものだってバカみたいだ、この歌はいい曲だと信じれる根拠は充分にある、君はまだ考え込んだりする
僕だってまだ、夜中眠れずにこんな詩を書いたりする
死んだのは君のお母さんだけだ
僕たちは大人ぶったりしてバカみたいだ
だってなにより僕たちの声が聞こえる