ボーイズドントクライ

現実逃避の妄想すら現実をみつめようとする作用が内包されている事、昨日の2時間目に習った
化粧を直しに、トイレにいく
僕の太ももの内側に油性ペンで一生懸命アヒルの絵を書いてくれた女の子へ捧げる詩をいつか書こうと思ってるんだ、ケンジ
夢の中で記憶喪失になったことある?美波ちゃん、ポニーテールをグルグルまわして空を飛ぶ女の子について、もっともっと悲しくなりたいのなら、僕は面白い悲しがり方なら結構いろいろ知ってるから、全部あげてもいい、シン、大好きな歌を次から次へと聴いて、おばあちゃんとケンジと美波ちゃんとシンのいなくなった部屋で、僕はそういう全部、切なくなるようなことをできる限り身の回りに集めている、
何もかもがうまくいく物語と悪い方向へいく物語とそんなのどっちでもいいんだけど、君と同じ名前のAV女優がいた、おばあちゃんもケンジも美波ちゃんもシンもみんな同時に同じAVに出演して、テレビ画面の中で微笑んでいる、美波ちゃん、君はやさしい音楽の中で、ゆっくりと僕を振り返って、目を細めて、口角を少しだけあげて、髪がゆっくりと額にかかって、涙が落ちる一瞬前にそれは、静止画になって止まった
頭痛は消えてしまう、夢を2度とあきらめなくなってしまう、自信と希望がゆっくりと僕の眼の中に入り込む、僕の想像力の負けだ
僕が君にいえなかったことのたくさんが、君と同じ名前の君と全然似ていない、こんな、こんな、AV女優を僕に見せているのだとしたら、僕の想像力は負けたんだ、負けたんだよ
ケンジ、君が今どこにいるのか本当にわからないよ、僕が今何を知ろうとしているのかも全然わからない、夢を2度とあきらめなくなってしまう、自信と希望がゆっくりと僕の眼の中に入り込む、ボーイズドントクライ