オモチャ会社に心をのっとられるぞ

顔がない女の子が箱の中にいて
「つとむくん、どおしたの、耳から白くてべたべたした液体がたれているよ」

「あぁ、これバニラアイスだ、きっと僕が作ったんだ」
「目が混濁して黒目と白目が混じり合ってる」
「バームクーヘンだ、これは、おいしいんだよ」
「舌が垂れて長く伸びてる、今にもちぎれそうなほどに」
「これは、なんだろう、教室だよ、それから、サイコキネシスで歯が折れる音?違う、よくわからない、たぶんアップルパイだ」

「こわくないの」
「なにが怖い?全然、怖くないんだよ、最初だけ、最初の合図以外みんな甘いお菓子だ」
「つとむくん最近なにやってるの」
「お菓子を作ってる、僕の部屋にきてくれる人のために」
「君の部屋に人が来るの?」
「昔ね、1度だけ、若い兄弟がきてくれたことがあるんだ、彼ら、今も生きているとしたらいくつぐらいになるんだろう、最初は、そいつらと何にもしゃべりたくなかったんだ、だからお菓子を作っていたんだけど、どうしちゃったんだろう?僕はその子達にまた、僕の作った焼きたてのアップルパイを食べさせたい、なんて思っているんだよ、」
「生きてて楽しい?」
「勘違いしないでくれ、これは絶望じゃない、帰ってくれ、ひどい事しか今はいえない、ごめん、なにかを絶望だと勘違いしたいなら小説でも読んでいてくれ」