頭がおかしくならないように雲をみてた、雲にはなにひとつ伝える必要がなかった、頭がおかしくならないように雲をみてた、真っ暗な部屋を出て自転車をこいで、少年院の脇で頭がおかしくならないように雲をみてた、そんな日が最初は1ヶ月に1日で、次は1ヶ月に2日で、だんだん増えていって、僕は自分のことを本気でカスだと信じ込んでいて、ほかの人がたとえカスだとしてもその事にはまるで興味がなく、もっと人から嫌われよう、嫌われよう、面白い嫌われ方もっとないかな、一人になるために、と思っていて、だから
渡せなかった手紙と、渡せなかった盗聴器入りのぬいぐるみと、渡す人も渡す必要もなかったけどそこにあった、うまく言えなかった言葉が僕を笑顔にし、うまく伝えられなかった言葉は殴られている子供達に見えた、詩にして文字にしたなら、とりあえず、目でみたものを信じられたと言う事なんだ
と、僕の日記はずっとそこで止まっていて

雲がバラバラとなんの脈絡もなく落ちてきて、一人一人の人間になって、僕はもう空が見えない、頭がおかしくなると言う事もないまま、僕はひとつひとつを見なくちゃダメなんだ

女のこめかみに拳銃を当てておっぱい揉みしだいて、拳銃で小指1本だけ撃って、もう約束ができない、船になっておもう存分泳いで、僕たちだ、といえるものを目で見えないほど遠く耳で聞こえないほど遠く声が届かないほど遠くまで