夏の思い出

ねぇ、この部屋からはどうやって出ればいいんだ、家がたくさん立っていて、電柱があって信号機があって時々お祭りがあって、木々から落ちた花がたくさん道路に散らばっているこの部屋から、どうやって抜け出すんだ、ここはすごく寒いよ、夏なのにすごく寒いんだ、どうしてなんだろう、みえないよ、太陽は今どの方角にある?セミが飛んでいく、いつのまにか昆虫達みんな逃げだしてしまった、線路はどこにある?太陽がドアだ、星々は窓だ、僕たちは部屋の窓から星を見ていた、僕たちの思い出はどこに行っちゃったんだろう、
あの日、覚えているんだ、君は12時ごろ起きだして、なんかホテルかどっかのプールに水泳に行って、僕は始めて君が出て行ったあともきみの部屋にいさせてもらえて、ボリュームをすこし落として、君の家の本棚から本1冊だけ取り出してよんでいた、ヤシの木とヨットがプリントされたティーシャツを着て、キャベツとソーセージをゆでて食った、自転車、さよなら、みんな部屋を出て怖いところへ行ってしまった

今、砕けろ、体!とか、念じている、ガンバレ人間!ガンバレ人間!ガンバレ人間!僕の脳みそを切開すると、きっと双子の兄弟の歯とか髪の毛が見つかる、てけり…り…てけり…り…てけり…り…てけり…り…

いつも謝ってばかりだね。。。あたしも君のことが好きだって信じてよ。。。あの子はかまいたちの夜の真理だった、真理そのものだった、でも今では僕は誰もいなくなった部屋の中で大好きだ、って呟いてるだけの僕は小学校2年生だ、それはどこへも出て行かずに視線の中に薄くのびているだけだ、部屋の外の悲しみや不安は君の行動しだいで消す事できるんだ、だから必要以上に謝っちゃいけない、恋人達が部屋の外にいるなら腕をぎゅっと握って放すな、あの子の家はまだあるかな?あるよな?夢じゃないもんな、これ、夢じゃないから悲しいんだよな、僕が始めて君の夢を見たのはいつだったかなぁ、あの子の家の前に行こうか、いって戻ってこようか、歩いていこうか、歩いているうちに日が暮れて、夜があけるだろうな、愛してた、アイツのこと、心から好きだった、ねぇ、この部屋からはどうやって出ればいいんだ