真っ黒

真っ黒になろうぜ 絵の具をかぶって 服なんて黒ければ黒いほどカッコいいんだぜ 食いもんは甘ければ甘いほどうまい 相変わらず僕は君に見せられないような詩書いてるけど グラムとかルーツとか そういう場所でメチャクチャになろうぜ 中学生みたいに 君と僕の背中に君のお気に入りの絵をロープでくくりつけて あいつらの上に背中から飛び込もうぜ みんながみんな ギンガムチェック着てるこのバーのレゲエのイクジナシどもの前で手をつないでやろうぜ すっごくかわいい女の子とバカでカスな男の子が手をつないでやるんだ

一瞬の 一瞬のブレイクのあとのメチャクチャ 折り重なって絵の具かぶってメチャクチャ 小指が折れて 僕の小指すぐ折れんだよ いつもなら痛くてオイオイ泣いていただろうけど その僕の手と君の手がしっかりつながれていて いろんなこと 知らなかったなんて言わなくてもいい おっきな声で叫ぶのは僕がやる わああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ 会えてよかったよ!
あああ 君のかわいい口から「ノルウェーブラックメタルの奴らってマジキチガイだよな」とか「エレクトロニカってオタクっぽくて聞いててムカムカしてくる」とか聞きたいよ 僕は1時間笑い転げる
ああ 僕の嫌いなソウルミュージック
僕と君の好きなスピッツミスチル! ああ

クロッカスの鉢植えが音をたてて割れて 僕が昔引き篭もってたってこと君にまだ言えてない! 君が素敵で明るく育ってきたから 小学校の頃僕はガリベンで 君は中学校の頃ガリベンだったんだろ? 18んなって外でたら君とまた会えた 君の得意な教科は英語 僕は無し! でも 僕の咀嚼筋と舌骨筋の間には絶対ものすごい詩が埋もれているんだぜ 血みどろの中を指でグチャグチャかき混ぜて ちょっと痛みをこらえれば取り出す事だってできるよ 君の知ってる男の子の中で一番カッコよくなりたいんだ ステージのど真ん中にハシゴを立てて ゆっくり ゆっくり ずっと上 この空の果て 君の好きな星の2センチ手前まで 登ってってやる 揺れるけど大丈夫 コニシの友達のスナガはそれを見てレコードをかけなおす きっとあいつ僕の歌をパクるぜ! 君のこと 一瞬でもおもうと 寿命が45年も縮まるんだ 僕 本当は100万年生きられるはずだったのに70歳でガンになって死んでしまうよ!ラッキー!

君に借りた本を読んだ 僕は男の子でしかもバカだからなんだってできるんだぜ この世で一番鋭いペンで この世で一番すさまじい悪臭がする紙に 僕の喉から噴き出す鮮血で ふつうの詩を書く!
ふつうの詩を書く!
そしてその上から黒い絵の具をかけて全部見えなくする カウンターのニス 色盲の大きな怒鳴り声 みんな重傷を負って瀕死で ゲタゲタ笑いながら酒と絵の具を混ぜ直す 僕のおばあちゃんは第2次世界大戦中 黄色のクレパス掲げて 「肌色!肌色!」って連呼してたらしいけど 僕たちあいにく真っ黒だ バイバイ おばあちゃん! おばあちゃんもかわいいけど 僕はあの子の方がもっとかわいいと思う

ブラック、クロウズ、ララバイ!

床の上にびっしりと四つんばいになった いっせいにヒゲはやしてヘンプの帽子をかぶったオッサンどもの上を踏みつけながら 君と僕とで

君と僕で100m走競おうぜ!

黒人を殺す 黄金虫という詩集を知らない黒人に真っ黒い絵の具をかける
黒人に泣かされる 黒人を殺す 黒人の夢 黒人の気持ち このバー燃やそうぜ!