私はやってない、私は市川由衣ちゃんを殺したことなどないし市川由衣

君は信じてくれるだろうか、
世界中の博物館に火をつけたら君は僕を殴れるだろうか、顔を洗えるだろうか、汚い鉄線の空を蹴りながらまるで僕たちは寂しがりやだ、
ビルの屋上に通学バスがずらりと並べてある、この町のヤニだらけの肺、寝たきりの病人の上に積もっているほこり、口から伸びたチューブには誰かが結び目を一つ作っている、僕たちは首を切ったら、わりとすぐ死ぬから切り取った自分の首をスーパーの袋に入れて、好きな女の子の家のドアノブに引っ掛けておくことってできない、そういうものがラブソングだ
君は信じてくれるだろうか、
なんにもしなかった12月が君の事を覚えてくれている、君が言おうとしてうつむいてしまった言葉は君を守ろうとした子供たちの言葉だ、幼少期の子供たち
僕たちが人から嫌われるため いままでどんな血のにじむような努力をしてきたか、その秘密をどうやっていままで隠し続けてきたか、帰ってこない君の中の、なにを話したのかもう覚えてないけれど顔だけ浮かぶ人たちに、君はきっと打ち明けたんだろうと思う、君が殴った人はその後、死にもの狂いで君のこと好きになろうとする、それと同じように言えなかった言葉も死にもの狂いで君のこと好きになろうとしている
君は信じてくれるだろうか、
これは僕の病床の窓からすべてにつながる恋の物語だ、そうだ、僕も君もまだ医者なんて簡単に殺せる、僕を診断する医者は、僕と性器を触りあう事ができないから、あいつらが言ってること全部うそだ、あいつらは僕の勃起もしずめる事ができない、そうとわかったらすぐに逃げだす事だ、僕のことを異常だ、といっているのは実際あいつらだけだった、どうして僕は他人をこんなに素直に信じていたんだろう、こんなに素直に信じたのにどうしてまだあいつらは僕を異常だといってるんだろう、僕は幼いころ去勢されて射精する事ができないから、君の心の敏感なところに触れる事ができない
世界は嫌なクスリと苦いクスリばっかり、君は信じてくれるだろうか、ああ、君は信じてくれるだろうか、ちくしょう、君は信じてくれるだろうか、僕はやってない、僕は市川由衣ちゃんを殺したことなどないし市川由衣ちゃんでオナニーした事もない絶対に