最後に

ひきこもりいがい、だれも、   みることや信じることがむずかしい   童話のようなものがあってね  けれど、それは―――――自分の性格や 自分の寂しそうなかおや いやな思い出 なんかを  正確に、間違いなくあてはめてみると とても勇敢で とてもあたたかくて すこし悲しい、たとえば  本当に 小さな子供のころに よんだ 童話の ようなものになるんだ              そのひきこもりにとって  そして  僕にとって それは あるものを さがす          物語だった  いつかどこかで僕に もう終わりだ、といった あの声とあの声と あの声 を足すと 誰の声になるかっていうことを 僕はそれに怯えて たった一人で考えてなんとか言おうとした 文字にしようとした   少しは成功したのかもしれない これはどういうことだろう  僕の僕の中にあるものは無理やり表に引きずり出された 引きこもりのように深く傷ついている