2流からの挨拶

ポストには1ヶ月ぶりによしおからの手紙が届いていた
封を破ってみるとそこには1枚の写真と便箋が3枚入っていた
写真は、小さなバーのような場所で5人の男と1人の女が笑っているものだった
打ちっぱなしのコンクリートの天井、奥に見えるたくさんのボトル、
二つくっつけて並べられたテーブルの上には、 食べかけのパンとジャガイモ、パスタ、うんこ、ビールの入ったグラス、
タバコとライターがのっている
ソファーに腰掛けた男と女はニヤニヤ笑いながら腕を高く掲げている
そんな雰囲気にまるでそぐわない男が写真の隅にポツンと目立っていた
伸びかけの坊主頭に、丸顔、ニキビ、 真ん中に「PIKO」と書かれた水色のティーシャツとジーンズで1人、真剣に立っているのだ
そいつがよしおだった
何よりも異様なのは、写真の中でニヤニヤ笑っている男と女には薄暗い照明の加減で顔に陰がかかっているのに、
よしおの顔には強い光があたっていて不自然に白くなっており、明らかに他の部分と明度が違うのだった
きっとまた、駅前の証明写真で撮った自分と、どこかの雑誌に載っていた写真を得意のパソコンで合成したのだろう

僕は便箋に目を移した
便箋に引かれている線を無視して、あまりうまいとはいえない小さな字でびっしり埋め尽くされている
書きたい事がたくさんありすぎるのだろうか?、そう考えた時、僕はなんとも言えない気持ち悪い気分になった
辞めた 高校の 昔の友達に いくつも手紙を 出す奴は きっと、狂っている
便箋にはこう書かれていた
「ある日、僕の友達が全員車に引かれた。6つの場所で同じ時間に6人の友達が。僕は悲しくなって毎年千羽鶴を 折って弔いに行く。毎年6000羽折って。交通事故とは家族と家族のぶつかり合い。どっちが重要かを決める 大事な会議。ハローハローハローハウロウ?ハローハローハローハウロウ?ハローハローハローハウロウ?ハロ ーハローハロー…」
ヨシオからの手紙はほとんど、意味不明な散文とニルヴァーナ(リアルタイムで目撃していれば大きな衝撃だったかもしれないが今では糞レーベルの糞イメージ戦略で中高生が毎晩行う自慰行為のおかずにされてしまっているバンド、もちろん以後に生まれたぼくにとってもはやカートの頭を打ち抜いたものはショットガンの弾なのか大量の精子なのかわからなくなってる、こんなバンドの歌を歌ったことなんか人生で3回しかない、
バンドをやっていたころギターの奴の強い要望で吉祥寺ワープで1回
小学校のころいじめられて泣きながら歌わされたので2回
カラオケで趣味は洋楽を聞くことです☆なんていってる鼻くその前で3回目
もちろん僕はその女の住所、電話番号、行動スケジュールなどを事細かに調べ上げ一日中彼女の家の前の電話ボックスから電話をかけ続け尿意が我慢できなくなると電話THEボックスの中で放尿した。そんな僕でもミスターチルドレンは最高のロックバンドだと思うHEROとかマジよくないっすか?マジで)の歌詞からのパクリが多かった 僕はうんざりして手紙をゴミ箱に捨てた 半年前からずっと、これで15通めだ 僕は最初にうんこした時よしおの脳みそなんて全部出しちゃったんだよ よしおって誰?僕はつとむだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
僕はつとむだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!