トライアングル

暗い部屋で目がさめるとすべて忘れていたんだった、小さな事、こまごまとした事、昨日の夜の事、目がさめる2秒前のうとうとして甘い時間に倒されて蹴られていたんだった、パソコンの画面を見ると全部思い出してしまう、みんな殴ってばかりで話し声の消えた街だ、僕は体育座りして時間が過ぎるのを待っていた、目を閉じて焼けるように痛くなるたび頭の中の光が綺麗で、僕はそれを使ってなんか作っていた
8歳には33歳を殴れない世界、あーあの人の事きっと僕好きだ、だって温かい牛乳を飲ませてくれる、12歳になって人が人を殴るのはいけない事なんだと知った、正直にいえばすごく胸がドキドキして嬉しいとか悲しいとかそんな言葉しか知らなかったからとっても大きな衝撃だったんだよ
今も殴られている子供たちへ、君たちの家は綺麗だ、こんな素敵な家で誰が泣くんだろう、君の家はどんどんキレイになっていく僕はハッピーバースデーをうたうよ、感傷もないだろう、勃起もしないだろう、誰もこないだろう、でもハッピーバースデーの歌詞はとてもやさしくて何かが立ち上るだろう、その歌はパパにはうたってもらった事がなくてだから、君はその歌を聞いている間パパの事を思い出さないだろう君の好きな人は君の知らない人と幸せになるよ、君さえいなければどこにも悲しさなんて見当たらない
今も熱湯をかけられている子供たちへ、君の背中のやけどはまるで太陽を虫眼鏡で見たような形をしている あまり、愛されないだろう、誰かを嫌う人たちはきっと遠くまでいける、ママ、この世界のルールを教えてくれ、ママ、教えてくれ