とれたてのムール貝だ、いきがいいよ

ストーリーの途中で僕たちはあきらめてしまう 彼と彼の母
親の中にくすぶってる憎悪を見透かしてしまうと 僕たちは
とたんに意味を失ってくる 彼の憎悪を優先させたほうがこ
の世界は高く上がれるから 比喩の余地を残して僕は動く
言葉に遠慮しながら僕は行動を起こす 完璧に     
  動けないのだ 目をあけると口が閉じてしまう 目を
閉じないと何も話せない できなかったことの地平がそこに
もぽっかりと空洞を開けている  埋めろ        埋めろ      埋めろ  埋めろ 埋めろ 埋めろ埋めろ埋めろ埋めろ埋めろ埋めろストーリ
ーは全部、笑ってる                    よしおが言う
「いろんなストーリーがあるじゃあないですか、
 僕たちはそしてそれを諦めたじゃあないですか、
 そのあと誰からも嫌われたじゃないですか、
 彼らにはストーリーは見えるが表現は見えない、
 けれどだからその上でそしたらどうしればいいのか」

自分にわりと似た人に出会い
その人と自分を見比べ 
顔の似てない部分を
ペンチでねじったり
 ハサミで切ったり 
キスしたり