高校やめなきゃよかった
夜中になると自分以外の人間はみんな排水溝に流れてしまって自分は一人きりの世界に迷い込んでしまったんじゃないか
と考えてしまうことが誰にでもあって で その瞬間に同じことを考えてる人間が日本国内だけでも一万人はいてショッキングなことに
その中に86歳の老婆もいる
深夜 彼と彼女は一言もしゃべらず歩いていく
彼の頭上には信号機が S,O,S とモールスの点滅を続ける
彼は一言もしゃべらずに力任せに彼女をけり
彼女は一言もしゃべらず少しの間うずくまる
そしてまた一言もしゃべらず彼と彼女は歩き去る
残されたのは誰もいないコンビニエンスの明かり
小さな虫たちがこの世界に「さよなら」と残して去っていく
こんなに広いのに解決しない
暖かくなってきたのに一人ぼっちだ
遠
く
からしか聞こえない電車の音
信号機の数だけ青春があって
いま
点滅に重なる
そして
人間じゃない
夜中に排水溝に流れるのは意味なんだ
君は全部は間違えてはいない
ただ
青春は死にました
青春は自殺しました
さようなら